スギ薬局の学割キャンペーンから考える囲い込み&若返り戦略

顧客の囲い込み、若返りマーケティング施策のイメージ 牧場の画像

from:愛知県の宣伝職人モアレス

@豊田市のオフィスより

 

このブログ記事は、私が2018年に書いたブログを再校正しています。ぜひ、皆さんの事業のマーケティング...とりわけ、顧客の囲い込みや、顧客の若返り施策にお役立てください。

それは、スギ薬局の店内放送で何度も流れていた

皆さんはスギ薬局は利用されますか?2018年の春、当時の店内放送で何度もアピールしていたのが「学割」というキャンペーンでした。この放送を聞いた瞬間に、私は「なるほど!」と思いました。

 

このキャンペーン内容はこうです。

 

期間中、お会計時に、ご自分のスギポイントカードと学生証(生徒手帳)をレジスタッフに提示で割引除外品を除く全品5%OFF!

 

よくある学生向けのキャンペーンですが、「やった!お得じゃん!」「息子(娘)に教えなきゃ!」となった人も多いのでは?と思わずにはいられませんでした。

 

学割キャンペーンの裏側にある企業側の意図

このキャンペーンの肝は、「学生にカードを作らせる」ということです。

 

なぜなら、多くのご家庭ではこれまで、お子さんはスギカードを持っていなくても問題ありませんでした。スギ薬局は元々、カードに登録されている電話番号をレジで伝えれば、親のカードを持参しなくても「ポイントサービスを利用できる」からです。

 

私はこれまで、店頭でお菓子を片手に、レジスタッフさんに自宅の電話番号を伝えている学生を何度も見てきました。

 

それが今後、学生は自分のスギカードを渡して、堂々と商品を購入し、さらには自分が自由に使える「ポイント」が貯まる快感を味わい、お小遣いやバイト代をコンビニではなく、スギ薬局に落とすことをより考えるでしょう。

 

そう考えれば、学生さんにとってはとても良いキャンペーンだと思います。

スギ薬局が得た最大の価値は何?

スギ薬局は、学生にカードを作らせたことで、何を得たのでしょうか?

 

1つ目は、最新の「顧客情報」です。おそらくスギ薬局は今後、ダイレクトメールや顧客分析にこの情報を活用するでしょう。

 

2つ目は「生涯顧客のたまご」です。学生にとっては「自分のカードを所有」することになりました。これは、「自分はスギ薬局の顧客である」と無意識に思わせる効果があります。つまり、学生にカードを作らせることで、生涯顧客を、いとも簡単に獲得できたわけです。

 

しかもカードは学生にとって、ただの会員カードではありません。ポイントが貯まる魔法のカードです。その結果、このまま大人になっても「ポイント貯まるからスギ薬局を使おう」という来店動機に繋がるでしょう。

 

スギ薬局さんは上手ですね。

 

というのも、学生たちは親も自分自身も、既に何度もその店で購入体験をしています。つまり、買い物をするのに躊躇が無いので、再来店の可能性も高いです。ド新規の客を狙うよりも再来店の確率が高く、さらには生涯顧客になる可能性が高い。

 

これこそが、「今の顧客の下の世代の囲い込み=若返り」です。

うちのビジネスで使えるかな?

学生割り引きをしたり、カードを作ったりすることは表面上の模倣なだけで終わります。なので、もしあなたが自分のビジネスで活用するなら、ちゃんと目的を決めたほうがいいでしょう。スギ薬局さんはおそらく顧客の囲い込み、しかもそれを「今の顧客の下の世代の囲い込み」を目的に、このキャンペーンを実施したと、私は推測しました。

 

ではあなたのビジネスでも、目的をそこにしてみてはいかがでしょうか。

 

今の顧客の下の世代の囲い込みのために、何ができるか…。

 

もしかしたら学割や、世代割キャンペーンかもしれません。その際にカードを発行することかもしれませんし、独自の会員制度に入会させることかもしれません。

 

割引になるポイントカードを発行することかもしれませんし、お得なスタンプカードを渡すことかもしれません。

 

特典をエサに個人情報を取得さえすれば、あなたはそうした「既存客の下の世代」に対して、ダイレクトメールやニュースレターなどで、アプローチすることができます。

 

これらは折込チラシのような「広告」よりも、よりダイレクトに伝えられる手段です。その結果、ターゲットである「下の世代」が、あなたのビジネスを大量に消費する「現役世代」になった頃・・・、数年後、数十年後に大きな売上をもたらしてくれるかもしれません。

親も子も、囲い込んで大きく育てる

あなたがもし、長期的な集客戦略を考えているなら、既存客の子どもたちに何ができるかを考えて実践してみてください。あなたの大切なお客様のご子息、ご息女に、何を提供できますか?特別扱いをすれば、きっといつか振り向いてくれます。

 

あなたがもしBtoBのような法人向けのビジネスでも同じこと。決裁権の後継者、将来的に窓口となるであろうスタッフに対して、どんなサービスを提供できるか、少し考えてみてください。3年後、5年後、10年後・・・。あなたの会社に「抵抗感の無い」顧客が、財布を握りしめて向こうからやってきてくれます!

P.S.

 

顧客の子供や下の世代を狙うのは、いわゆる友人紹介キャンペーンよりも成果が出やすいかもしれないですね。顧客があなたのビジネスの価値を理解していればいるほど、身内は紹介しやすい対象だと思います。

 

またこうしたキャンペーンを実施するなら、できれば、既存客である親世代にもメリットがあるといいですね。みんなハッピーな三方良しな企画を考えると良いでしょう。

 

そんなマーケティング施策を導入したい!という方は、ぜひ宣伝職人モアレスまでご相談ください。